恋と狼と陸上と…

つないだ手はまた私を安心させてくれた。


暗い校庭も静まり返った中に響く風の音も全然怖くなかった。


「魔法の手があれば怖くないね。何でもできそう」


私はその人を見上げると、その人はふっと口元が緩み、笑みを浮かべた。


暗闇の中でもわかるほど、綺麗だった。


すると、その人が手をぎゅっと強く握ってくれた。


私もぎゅって握り返した。


言葉もないこんなやり取りだけで、うれしく感じた。


いや、言葉がない分、幸福感が募ったのかもしれない。


安っぽい言葉じゃなく、うわべだけの優しさじゃない、本当に守られてるような安心感がそこにはあった。


人は守られていると安心する。安心すると幸せを感じる。


私はその人に不思議な安らぎを感じていた。