恋と狼と陸上と…

「あのね、さっきまですっごいに怖かったのに、手をつないだら怖くなくなっちゃった。すごいね。あなたの手って魔法みたいだね」


私は右横を歩くその人を見上げて言った。



「俺の手が魔法?」


その人が私を見てくれた。視線合う。


「うん、大きくて、安心させてくれる。魔法みたいだよ」


私はその人に笑いかけた。



その人は一瞬目を細め、「そっか」とだけ言った。


私はなんとなく、つないだ手をぎゅっと強く握った。


その人も無表情のままぎゅっと握り返してくれた。


私はそれがすごくうれしかった。