「シンくんに補足させていただきますね」
「って、あなたは『どなた』なのかしら?」
これまた、気の強い姉蓮が葵さんの話の腰を折りました。
「あら、ごめんなさい。
申し送れました、わたし、原口龍太郎の妻、葵と申します。
実は、わたし、アカシック・レコードを読み取る能力を持ち合わせておりまして、今回はみなさんのお役に立てばと、こちらにお邪魔させて頂きました。
どうぞ宜しくお願いしますね」
「つまり、チャネラー?」
「ま、そういう風におっしゃる方もいらっしゃいます。
さて、本題に入らせて頂きますね。
わたしがこの『水盤』に出会うのは、今回が二度目です。
この現世において、再びこの『水盤』に巡り会う奇跡を神に感謝しなければっ!」
「二度目ってどういうこと?」
「わたしの過去世で出会った、ということです」
「信じられない」
それもまた、ごもっともなご意見です、姉上様。



