「ジュンくん、どうしたんだ。 具合でも悪いのかい?」 僕の問いかけに頭を上げた彼の顔は、血の気が引いたように真っ青でした。 「いや、なんか、寒気がするっていうか、身体中の力が抜けるようで……」 「それはマズイな。 君はいいから、先に『無限堂』にもどっているかい? いや、そんな身体じゃバイクに乗るのも危ないか……」 僕が思案に暮れていると、 「彼は宇宙線に当たったのね」 いつからそこにいたのでしょう、葵さんが僕の後ろに立っていました。