「はい、原口だが」 「あ、僕です、坂本深です。先日はどうも。 で、急なんですがこれから出られますか?」 「なんだか慌てた様子だな。 ああ、時間はある。で?」 「それが、『宇宙軸を映す水盤』が今目の前にあるんです」 「ウチュウジクヲウツススイバン?」 彼がそう言葉を発した後、奇妙な沈黙を破るように言い争う声が聞こえてきました。 「あ、あおい、ち、ちょっと……」 もみ合うような雑音の後……