見事な彫刻は、細線で描かれたペイズリー文様でした。 これは如何に? この文様は確か……遥か異国グレイトブリテイン島のケルト族に伝わる文様の筈。 そしてこの黒光りした石。 御影石でも大理石でもない、黒曜石? いや、光ってはいるが表面のザラついた、コークスのような…… 僕の脳裏に、『隕石』という言葉が浮かびました。 「限さん、もしやこれは……」 「如何にも。 わしもこれは、と思ってな、一応計測してみたが白じゃった」 限さんが手にしているのは、ガイガーカウンター、放射能を計測する装置です。