純一郎くんがコギャルに頬を叩かれたんですね。
「ったく、なんだよこのアマ、レイみたいに気がつえぇな」
とこちらに振り返ったと思ったら、
<<パシッ>>
っと、今度は怜ちゃんの平手打ちが純一郎くんの反対の頬を打ちました。
あ、何で僕がこんな風に冷静に傍観してるのかって?
それは、これが『無限堂』の日常風景だからです。
ま、この瞬間が見れた、というのは幸運だとも言えるのですが。
「ったく、めんどくせぇ」
純一郎くんは、オレンジの髪をワシャワシャと掻きむしると、僕の隣りにドッカリと腰を下ろしました。
いやいや、僕から見れば、ことを面倒臭くしているのは、純一郎くん、君じゃないかな。