『無限堂』は古い佇まいの茅葺の一軒家です。



店の奥には、普通の木造住宅が住まいとして繋がっているんですけどね。

大きな梁の渡った懐の大きな空間には、天井など張っていなくて、ところどころに吊るしてある裸電球が、店の前を走る国道を車が通る度、小さく揺れるんです。


なんていうか、ノスタルジック?


『無限堂』の中にところ狭しと押し込められた、一見ガラクタとも見える骨董品に囲まれていると、ここだけが異空間というか、異次元というか、まさに時間の止まったブラックボックス=無限の堂なのです。



『無限堂』とは、よく言ったものです。

さすが限さん!



僕は、店の前に自転車を無造作に止めると、逸る気持ちを抑えながら店内に足を踏み入れました。