「もう一人、あなたの近くに近しい女性がいるでしょう?」 その時僕の頭に浮かんだのは、同じ研究室で山本教授のゼミをとっている望月風花(モチズキフウカ)。 「彼女は君にとってのトリックスターね」 僕は聞き慣れない言葉に引きずりこまれていきました。 「彼女の一番近い前世は男だったの。それも飛び切りのドンファン。最後は嫉妬に狂った女に殺された。 彼女のこの現世での目的は、純粋な愛の営みを堪能すること。 駆け引きなしの純粋な性の発散ね」 僕はゴクリと生唾を飲み込みました。