「おいおい葵、そのくらいで勘弁してやってくれないか。 坂本くん、びっくりしてるじゃないか」 僕の頭の中は、この驚くべき事態に対応しようとフル回転を始めていました。 え、もしかして…… 原口さんの『DNAに刻まれる過去の記憶を取り出す研究』っていうのは、生物の進化を辿る研究じゃぁなく、前世の記憶を取り出す研究ってことですか? 「なんだ坂本くん、今頃気付いたのか」 僕の思考が顔に出ていたのか、原口さんは僕の想像を確信づけるかのようにこう続けたのです。