「実は彼女には、リーディングの能力があってね」



そう原口さんが口にした時には、僕はもう金縛りにあったように、彼女の瞳に見つめられて身動き出来ないほどに固まっていました。


な、なんですか……


「あなたの側には、前世からとても近しい間柄だった女性がいます。

それが誰だかわかりますか?」


僕の頭に先ず浮かんだのは、姉の蓮でした。

な、なんでこんな時に蓮のことなんか考えてしまったのでしょう?


「彼女は前世において、あなたと母子でした。

けれども、何かの理由で生き別れになり、その人生においては母子の愛情を育むことができなかった。

だから今、彼女はあなたの側であなたの世話をすることに喜びを感じています」


「な、なんで、そんなことが……」



「わかるのよ。ただそれだけ。

信じるか信じないかはあなたの自由だけど」