「どなたでしょうか? ここ、今朝練の途中なので…」 男がゆっくりと顔を上げた。 黒髪が揺れ、現れた顔は世で言う“イケメン”。 「部活見学なら、男子の剣道部はあちらですが」 「君、名前は?」 「はぃ? 普通、名乗るなら貴方からでしょう」 警戒の意志も込めて、睨んでやった。 「ふぅーん。葉月だけど」 「西波亜紀《ニシハアキ》です」 頭2つは高い男。 こんな奴、この学校に居たっけ?