ごゆっくり、と言ってなんとも意味深な笑顔を残していく門脇さんを見送っていると、後ろから何かに包まれるような感触がした。



「れ、蓮?どうしたの?」


「はぁ、やっと充電できる。いい加減我慢できなくなるところだった」



そうつぶやいてあたしの首に顔を埋める蓮にどぎまぎしてしまう。



「ちょっ・・・蓮?あ、あの・・あたし帰るから・・放して?」



そう言った瞬間思いっきり体を反転させられた。


そこには不機嫌と顔にしっかりと書いた若様がいた。



「は?返すわけないでしょ?せっかく雪帆が俺に会いに来たって言う流れ星並みの運が降ってきたのに」


「・・・い、今まで会いに来なかったことは謝るわ。でも蓮も会いに来てくれなかったじゃない」


絶賛不機嫌中の蓮に反抗するのは勇気がいる。・・・何されるかわかんないから・・・


自分を褒め称えてやりたい気持ちになっていると・・・



「みんなにばれたくないからって宣言したのはどこの誰だっけ?」


「う・・・」



バッサリと切り捨てられ、何も言い返せなくなる。


何事もやり過ぎはいけないと悟った。