そんなことを思っていると、屋上の影から、禍々しい気が立ち上るのを感じた。



『おお・・・人じゃ・・・久しぶりに眠りから覚めたと思うたら人がおるわ』


「怨霊!純君!そこから離れて!」



突然現れた怨霊に、なにかに察知したのか素早く離れた。



『ほう、娘、我が見えるのか』



言うが早いか、いきなりあたしを襲ってきた怨霊。



「今度はこの日向雪帆が永遠の眠りにつかしてあげるわ!覚悟なさい」


『小賢しい!日向の娘か!今ここで喰ろうてやるわ!』



ものすごいスピードで近づいてくる怨霊に術を放つ。



「こが意は神の意なり 絡め取れ 封縛!」



鋭い気があたしから放たれ、怨霊を絡め取る。



『くっ!小癪な!・・・ぐっ!動けぬ!』


「こが言の葉は諸刃の剣 滅せよ!急々如律令!」


『ぎ、ぎゃーーーーーー!』



断末魔の悲鳴と共に怨霊が霧散する。