「な、何よ・・・」


「いや、この前ちらっと見たんだけど、スゲーかっこよくなってるな。蓮の奴」


「・・・だから何」


「いや、まんざらでもないんじゃないかと思って」


「・・・あ、ありえない!あんな奴知らない!」



即答できなかったのは、昨日のキスを思い出したから。


今、心臓がものすごい勢いで動いているのは、昨日のことを指摘されているようだったから。


そう無理矢理に結論ずけていると、



「ほぅ、蓮君が帰ってきておるのか」



そんなお祖父ちゃんの声が聞こえた。



「お、お祖父ちゃん!・・・びっくりしたぁー」


「なんじゃなんじゃ。人を化けモンみたいに」


「な、なんでもない!じゃあ、あたし行ってくるから!」



顔の火照りがばれないように、急いで家を飛び出した。