「あっ、」
海につくと夏休みにみた
あの砂時計のひとがいた。
そしてあの制服。
わたしの学校の制服だ。転校生ってこの人か。
ほんと、かっこいい…。
「あのっ」
気づけば私はその人に声をかけていた。
なに、やってるんだろう。
「あっ?」
………………………ん?
「だれ、おめぇ」
…ええぇ?ちょっとまって
私が夏休みに会ったその人とはまるで別の人。優しそうで、笑顔がすごく似合ってる。そんな人だったのに…なに?違う人?
「………話しかけといて黙ってんなよ。なに?」
「なんでもない…です」
「あっそ」
冷たい返事。だけど
それしか言えなかった。


