全長5000メートルの強襲戦艦が、戦闘機のように急旋回する。展開している艦載防衛兵器の何器かが、機動について行けず慣性制御場の外へ弾け跳び、急激な捩れに耐え切れず爆散する。

 そして、臨界に達した主砲が発射される。

 強襲戦艦独特の艦首固定主砲から、大口径の集束ビームが冷めた空間を沸騰させながら切り裂く。

 ビームはSDDアウトして来た駆逐艦をシールドごと打ち抜いた。

 更に2隻の駆逐艦がSDDアウト。

 即座に対艦ミサイルを発射。2隻合わせて24発。

 1隻はそのまま連続SDDイン。もう1隻は、その前に、射角の取れた艦載防衛兵器の斉射を受けて、機関部を損傷。そのままコントロールを失い、戦域外へ弾かれて行った。

 発射された対艦ミサイル達は、ランダム機動で高加速。

 散開して、ザカーエッジに急襲する。

 艦載防衛兵器の次の斉射で半数が撃ち落とされるが、最終加速で子ミサイルを発射。

 1基につき64発。

 768発のミサイルが拡散してザカーエッジを覆った。

 撃墜されたミサイルが、撹乱電磁波とチャフをばらまき、全てのミサイルを認識出来なくする。

 ベイグは冷静にザカーエッジの防衛システムに介入。

 粒子ビームを拡散モードで照射。

 チャフの雲を吹き払い、シールドを侵食しつつ接近するミサイルを照らした。

 レーザーとレイルガンで、その全てを撃ち落とす。

 ザカーエッジは艦体の半面を撃墜されたミサイルのプラズマ炸薬の爆発光に包まれて、元の軌道に戻った。

 その1連の機動の裏では、主砲で狙っていた敵巡洋艦を艦載防衛兵器の支援砲撃に切り替えて、カルゼルの2隻で撃破していた。