「そうね、聞くより、実際やってみた方が面白くない?」

 その言葉が、ブンガクの意識のスイッチを切り替えた。

「確かに、このまま見てるだけと言うのも退屈だな。せっかく限定的な指揮権も貰ってるし、やってみますか」

「そうそう、私も楽しみにしてるわ」

「それじゃあ、まずは・・・」

「どうするの」

「しばらくは、このまま静観だ」

「大丈夫なの、そろそろ本隊と接触する感じだけど」

「大丈夫、まずは、相手の正確なスペックを見極める。それからでも遅くは無い。情報空間での戦いは、介入のタイミングが重要なんだよ。大体、この船に物理的な兵装なんて物は無いからね」

「まあ、確かに、この船には排障システム位しか無いわね。じゃあ、頼りにしてるわ」

「まかせろ」

「艦隊周辺にプレSDDアウト現象確認。来たようよ」

「お手並み拝見だな」

 ブンガクは、クーロンの情報兵装の全ロックを解除。ゆっくりと予定戦闘宙域に溶け込んだ。