「陽太。」


「ん?」



「色々、ありがとね。」


「っなんだよ。急に。」



急に美香が振り返った





「私、彼と別れるわ。」




風が、やんだ気がした。




「そしたら誰も傷つかない。彼も、彼の奥さんも。」



「傷つくのは、私だけ。それが…正しいでしょう?」



そう行った美香の目には涙が浮かんでいた。




「っ泣くな………」








.