「熱、高いな」


おでこに冷やっとしたものを感じて、薄らと目を開ける。


あれ?


今誰かいなかったっけ?


目の前に映し出されたのは、いつも見慣れてる天井。


あれ?


不思議に思いつつも、私はまた目を閉じた。


それからどのくらい時間がたったんだろう?


ふと目を覚ますと、握りしめて寝ていたはずのケータイが、枕元に置かれていた。


そのまま視線を移動させると、パソコンと睨めっこしてる彼の姿が目に入った。


「悠君?」


私の声が届いたのか、彼はパソコンから目を上げ私の顔を見ると、ひとつため息を落とす。


「その呼び方、いい加減やめろって言ってるだろ」


近づいてきた悠君が、私のおでこに手を当てる。


その瞬間、思いっきり顔をしかめた。