「でもさー、諦めた方がいいんじゃねぇの?」
「……は?」
急に言われたその言葉に、あたしは動けなくなった。
「あいつ、イケメンだろ。その上誰にでも優しいんだよ。だからあいつを狙ってる女なんか何人もいる。」
っ……。
思わず下を向いてしまった。
「もちろんおまえより可愛い奴なんて何人もいる。
その中で一番になれると思ってんの?」
そんなこと…
「おまえレベルの奴なんてそこら辺に転がってる。
やめとけよ。自分がみじめになるだけだぜ?」
そんなことは…
「おい、聞いてんの…」
「わかってるよ!言われなくても分かってる!
大夢くんが超モテることも、可愛くないくせに身の程知らずなことも、全部全部分かってた!!
だけどあたしは諦めるのは嫌だったの!
諦めて後悔なんてしたくなかったの!
だから無理やり前向きに考えてたんじゃん!」
大野君はいきなり怒鳴ったあたしをびっくりした表情で見てたけど、抑えられなかった。

