グラウンドには結構女子がたまっていた。
この人たちみんなサッカー見に来てるのか…
いや、正確にはサッカー部見に来てるようなもんか。
キャーキャー言ってるし。
にしてもここからじゃ全然見えない!
あたし目悪いんだよねー…
それに比べて岡田は視力がいいから、
「あの人タイプだわ―」とか
「あの人の走り方ヘン!」とか
好き勝手言ってる。
しばらく経ってから予鈴が鳴った。
サッカーはまだ続いてるけど
周りの女子はだんだん減ってきた。
もうすぐ授業始まるしね。
「あたしたちも帰ろっか!」
「だね。」
あたしと岡田が回れ右をしたとたん、後ろから
『あっ、やべぇ!!』
という声がした。
その瞬間、あたしの背中にドンッと
硬いものが勢いよくぶつかった。
「っで!!!」
うわ、すごい変な声だしちゃったよ!!
つーか痛い!超痛い!!!
アントニオ〇木にビンタされたくらい
痛いよ!!
あたしの背中にダイブしてきた硬いものは
どうやらサッカーボールだったらしい。
犯人はサッカー部のやつらか!!!
「ちょっと玲奈、大丈夫!?
すごい音したけど!」
「ま…まぁなんとか平気」
岡田に背中をさすってもらっていると
サッカー部の人たちが2、3人走ってきた。