未送信メールのなか



ホームの一番端のベンチに愛しい人が座っていた。





何も言わずに一季の隣に座った。


沈黙が続く。






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一「何しに来たの?」



楓「え・・・・話ししに来た。」




一「俺は何も話す事ないけど?」



今にも抱きついて泣きたかった。


楓「・・・・もう別れるの?」




一「だってこのまま喧嘩ばっかり嫌だよ」



楓「・・・・別れたくないよ。」




一「楓さ、何も言ってくれないんだもん。疲れたなら疲れたって言ってくれればベンチ座るとかするのになに聞いてもううんしか答えなくて・・・俺だって大切にしたいんだから・・・大切にして よ・・・。」




一季が泣いていた。





楓「ごめんなさい・・・別れたくないよ。」

一「とりあえず今日は帰りな。送ってく。」





そう言って私の手を大好きな人に包みこまれた。




やっぱり暖かくて大切な存在だって思った。




帰りのホームで、後ろからギュウッて抱きしめてくれた。



まるで〔どこにもいくな〕って強く強く。




「バカ」




一言だけ私に呟いた。











それから一季は一度も手
を離さずにいてくれた。