キミシダイ



「手ぇ放して!!!」


ブンッと手を振りほどき奴を睨む…



「…睨んだ顔は嫌だなぁ……顔を赤らめて、上目遣いで目ぇ潤ませて…プルプルの唇で可愛く【先生ぇ】て、色っぽく言われたい」


「黙れ変態」



奴を置いて歩き出そうとしたら、背後から「月ぁ」と呼ばれた…

大翔だ…



「やっと野暮用終わった…月、ごめんな?」


「本当だよ…大翔、後でジュース奢りね」


「げっ…顧問に買わせよ;」


クシャと私の髪を撫でてから、大翔は奴に「遅れてすみません」と頭を下げた