「大塚君っ、走るの早いよ…っ!」
「あ!ごめん!!」
もつれる足にこけそうになってそう訴えると、大塚君はすぐに速度を落とした。
ぱっと手を離してそのまま立ち止ると、肩で息してる私に大塚君は申し訳なさそうな顔した。
「気付かなくてごめんな?大丈夫?」
「…うん…もう平気。
それより、こんなことしちゃってよかったの…?」
「だって、姉ちゃん夏休み入ってからずっと神崎さんが構ってくれないって拗ねてたからさ…
せっかく会えたんだし、2人きりにさせたいじゃん?」
私にそう言って答えた大塚君は、その言葉のあとに「ごめん、神崎は迷惑だった?」と不安そうに尋ねた。
「ううん。大丈夫だよ」
そう言って笑って返すと、大塚君は「よかった」と嬉しそうに笑った。


