教室から出て、用も無いのに廊下をうろうろ。


すると、

「神崎さん」と、同じクラスの女の子たちに声を掛けられた。


いつも数人でグループになっているちょっと派手目な女の子たち。

私はその子たちと一度も話したことがない。なんていうか、自分とは全然タイプが違うから苦手意識を感じていた。


だから、話し掛けられた私は怖くて少し固まってしまった。


そんな私に彼女たちは


「ねぇ、さっき陸となに話してたの?」

「神崎さんって、大塚君と付き合ってるの?」

と、口々に大塚君とのことを私に訊ねる。


「え、えっと…」


突然のことだったし、なんて答えればいいかわからなくて、私は怖くなってまた俯いてしまう……。



そんな時。


「ちょっとちょっとー。

なにうちの子いじめてんのー?」

と、奈々子ちゃんが庇うように割って入ってきてくれた。