気になる背中




「少し話そうか…」


俯く私に、陸君は優しくそう言った。



…そのまま陸君に引かれるままに廊下を歩く。



着いた場所は、図書室だった。


テスト勉強の時いつも座っていた席に座らされると、陸君は私の前にしゃがみ込んだ。



「澪…、ごめんな」


俯く私の顔を見上げるようにして、陸君がそう呟いた。

その言葉に私がぎゅっと目を瞑った。



ごめんってなに…?

陸君はなにに対して、そう謝ったの…?



その言葉の意味を訊くのも怖くて…


怖くて怖くて、

耳を塞いでしまいたかった。