気になる背中




「ねぇ、あなたも同じクラスだよね?

よかったら私たちと一緒に教室行こうよ!」


桜井さんがそう言って私に笑いかけた。

その屈託のない笑顔に、胸の奥が痛くなる…。




まるで部外者みたいな言われ方に、なんだか泣きたくなった。


…でも、2人並んだ姿はとてもお似合いで…、

私なんかに優しくしてくれる桜井さんはやっぱり素敵な人で、こんなに醜い私とは大違い。


そう感じると、2人の間ではやっぱり私は部外者なんだと思えてくる…。



「…えっと、ありがとう。

でも、教室戻って教科書とか取って来なくちゃいけないから、2人とも先行ってて…?」



なんとかそう答えると、桜井さんは「そう」と残念そうな顔をした。


「じゃ、また後でね!

行こ!陸君!!」


そう言って桜井さんが陸君の腕を掴んだ。

私は2人を見ないように下を向いた。


2人分の足音が遠ざかっていくのがわかる。



胸の奥が苦しくてたまらなかった…。