気になる背中





そうして1年の教室の廊下まで戻ってくると、そこで陸君と出くわした。


…彼の隣には、

桜井さんがいた。




心臓がドクンと嫌な風に音を立てた。

それと同時に、体の熱が一気に冷たくなっていく気がした…。



「えっと…次移動だから、教室まで案内することになって…」


陸君が少し申し訳なさそうな声音で私に向かってそう言った。




「そうなんだ……」


私は彼から視線を逸らすようにそう返した。



陸君の顔が見れなかった…


だって、嫉妬なんてしちゃいけないって思ったばかりなのに、

私の心はもう酷いくらいかき乱されていた…。