もうどうしていいかわからない。 私はなんとか平常を取り戻そうと、 腕の中のぬいぐるみをぎゅっと抱き締めた。 「神崎、どこか具合悪いの…?」 「…う、ううん!!大丈夫だよ」 心配そうに私の顔を覗き込む大塚君に、また心臓の音が加速する。 ドキドキドキドキと、 聞こえてしまうんじゃないかって思うほど、鼓動は高鳴っている。 そんな私を本当に体調が悪いと思ったのか、 大塚君は「もう帰ろうか」と、そう言った。 私の方も、こんな状態のままで大塚君と一緒には居れなくて、その言葉に小さく頷いた。