誰かに、『幸せになってはいけない』。 そう言われたら、私はそれを受け入れる。 『幸せになっていい』。 そう言われたらなら、私はそれを受け入れる自信がない。 そんな、矛盾した考え。 しばらくこの体勢でいると、ギィッと古びた屋上の扉が開く音が聞こえた。 自然と、視線がそっちを向いた。 「・・・・・・お前、誰?」 綺麗な金髪をなびかせながら、彼は言った。 いやいやいや。 誰ってこっちの台詞なんですけど。