「…ありがと」 楓は優しい。 薫みたいに…優しい。 「ガルルッッ――」 ――!? 目の前には、酷い姿の犬 口からはヨダレ 目は……赤…? 「ガルルルルッッ!!!」 っ――!危ない!! 私はぎゅっと目をつぶった。 …………あれ? 私はそっと目を開ける。 ……楓? 見たことのない冷たい瞳を犬に向ける