―――ガチャン

龍弥が屋上の扉を開けた。

誰もいない広い空間。

そこにあるのは、2人掛けのベンチと空だけだった。

「…んーっ!気持ちいい!なっ!」

「うんっ!」

私と龍弥は思いっきり深呼吸をした。

「お前の顔色が良くなってよかった。」

龍弥は私の頬を摩りながら言った。

私の顔が真っ赤に染まるのは、鏡で見なくてもわかった。

「なぁ…1限はサボろ?ここで空見ながら。」

「…う、うん。」

なんてロマンチストなんだ。

また私は見つけてしまった。

初めて見せた、龍弥の素顔を。