私たちは言い合いをやめ、校舎に向かっていた。
―――キーンコーンカーンコーン
「やっべ!担任来ちまうじゃん!」
龍弥が突然焦り始めた。
「え?どうかしたの?」
私は問いただした。
「お前バカか!この間の担任の言葉覚えてねぇの?」
龍弥は私のおでこにデコピンしてきた。
「…いったーい!なにすんのよ!てか、担任の言葉って?」
私はおでこを摩りながら言った。
「お前なあ!」
そう言われて思い出した。
『次遅刻したら2人で資料室の掃除だからな。』
「あああああぁっ!どうしよ!」
「急ぐしかねぇだろ。」
「う…うん。」
そう言った途端、私は龍弥に腕を掴まれた。
「聖人!お前も遅刻すんじゃねぇよ!」
「…ふわぁ。はいはい。じゃあね。」
龍弥と聖人が言葉を交わし終わったあと、私は龍弥に引きずられるように走って行った。

