バンギャ?!!〜ワタシのカレはバンドマン

もう、ホント、いいかげん、

めんどくさい・・・・



と、思いながら、

アタシは、ライブハウスを探して、

かれこれ30分、

池袋のラブホテル街をうろうろしている・・・。

そうこうしているうちに、開演時間はとうに過ぎてしまい、

アタシはあせる。


と、その時、

急ぎ足でどこかへむかうバンギャっぽい子にすれ違い、

あ!と思い、

後についていくと、

予想通り、

そのライブハウスにたどり着けた。



この間よりも狭いライブハウスはぎゅうぎゅうだった。

背伸びをしても、

ステージは見えない。


ドラムが四つ打ちのリズムを刻む。

そして、

あのギターの音が響きだした。


悲鳴のようなバンギャたちの歓声が上がり、

みんなが一斉に前に動く。

アタシも一緒になって前へ行く。


背伸びをしてステージを見る。

楽しそうにギターを弾く姿が目に入ってきた。



なんで、こんなフレーズが弾けるんだろう。

ムカつくくらいカッコいい。

バカみたいにカッコいい。

心拍数が上がる。


なんでアタシ、

こんなにドキドキしてんの?

バカじゃないの?


「バカ」


思わずつぶやいてしまった瞬間、

『リョウちゃん』がこっちを見た。


アタシは目をそらす。

自分の体温が一気に上がっているのが、わかる。