その日会わなくなった女から手紙が届いた。

──久し振り。元気ですか?
貴方と会わなくなってからは抜け殻のような毎日です。

貴方はいつもの毎日を送っていますか?
あの愉しげな笑顔をいつも作れていますか?

急な手紙が届いて驚いた顔をしてるのかな……
それとも懐かしさなんて感じてくれてたりするのかな……

同封した写真は、今の私の精一杯の笑顔です。私の顔を忘れて欲しくなくて思い切って撮りました。
どこかに置いておいて貰えたら嬉しいな。

昨日はね、貴方の夢を見ました。
目が覚めた後も貴方が構ってくれると思って、居ないのを忘れて本気で呼んじゃった。

シンとした空気で居ない事を悟った時、また一人で泣いてしまいました。
今朝見たら目の腫れが酷くて……、また貴方を思い出して泣きました。

貴方が私にしてくれた、数々の忘れられない沢山の事。
それは心も思考も、体もちゃんと今でも覚えているよ。しっかりと刻み込まれてる。

貴方が連れて行ってくれたあの店覚えてる?時折店の前を通りかかっては記憶が蘇ります。

店から数十メートル離れた自販機の前でよく待合わせたね。待合わせの時の嬉しそうな顔ったらなかった。

私は貴方に魅せられ、惹かれ続けてたけど、それももう終わりにします。

その為の手紙。
その為の決心。
その為の告白。

私の傷は癒えません。心も体も。

縛られ、吊され、沢山を挿れられ、撮られ、晒され、殴られ、蹴られ、売られ、金づるにされ、犯され、虐げられ、捨てられ……

顔や体の痣や傷はもう消える事はありません。晒され続けた顔も体も変える事は出来ません。

貴方を愛していたから、私は自分の性癖の全てをさらけ出して……ゴミのように捨てられた。

本音はその行為にすら、欲情してしまってる。どうしようもないね。

私は今更貴方なしでは生きて行けそうにないもの……
だから貴方とこの世から、本当のさよならをする事にしたよ。

さよなら。愛しい最低な貴方。
本当のゴミになります 』