「何だそれ!じゃあ今日も寂しがってただろ? 俺今日電車で来たし。吉村ちゃんチャリこぐの見たよ」 まるで子犬みたいに人なつっこい笑顔で こっちを見てくる。 やばい! 心打たれそうになると同時に 今日は電車と勝負しなくて良かったと心底安心した。 だってそのときは、絶対ひどい顔して自転車こいでるし。 私がつい返事するのを忘れて俊に見とれていると、 「てかアドレス交換しようぜー。」 再びホウキを動かしながら俊は言った。