東京心中

マンションに着くと、今度はいきなり「駄目だって、よく利用してくれる人なんだけどね、今連絡があったよ、ツイてないね」「そうですか、今日は遅くなるから、帰ります、お金は後でも大丈夫ですか?」「いいですよ、まあ波があるから、気にしないで、次は何時頃来れる?」「うーんあさってかな、余り続けてだと家の人に怒られるから」「わかりました、じぁあさってお願いします、頑張ってね」「はい、お疲れ様でした」と言ってマンションを後にした。
頑張ってって言われてもなぁ、と内心思ったが、はぁとため息をつきながら歩いていると、立たされていた交差点に同じ様に、紙袋を持って立っている人がいた。歳でいうところ、20代前半で垢抜けしない感じの人だった。暫くするとその人は、誰と落合う事なく、マンションの方に歩いて行った。気のせいかなぁ?なんて思いながら、駅へと向かい家路に着いた。あさって行くの嫌だなぁ、と少し思い始めていたが、お金も払わないといけないし、まだ儲けてもいないしなぁなんて、呑気に考えていた。この事は、友達にも誰にも言っていない。知っているのは自分とあのワンルームマンションの男だけだ。辞めたいなぁと少し思い始めていた。正直毎日電車に乗っ