しで、何か目標がある訳でもなかった。とにかく明日行くことにした。
電車に乗っている間、ずっと不思議と恐くなくて、不安な気持ちにならず、夕方の町並みを電車の中から、眺めていた。心の中で別に嘘がばれて断られても、惜しくもなんともないや、位の気持ちしか持っておらず、そこに夢や生活などが、関わっていたら、話も別だったのかも知れないが、今の自分には、暇つぶし程度の、重みしかなかったので、あまり深く考えていなかったのだろう。
電車もやがて梅田駅のビル郡が見え、淀川を渡り始めていた。何故か夕日に照らされた淀川の土手を見ていると、渡っては行けない橋を渡り始めてしまった気持ちになった。
急に二度と戻れなくなるほど、遠くに来てしまった時の、不安な気持ちに始めてかられた。夕日を見たせいなのか、これから起こる事の前兆だったのか
電車はゆっくり梅田駅に着いた。改札を出ると、そこには公衆電話が並んでいた。