1988年 夏
高校最後の夏休みを前に将来を真剣に考える事なく ダラダラと夏休みが来る事を待っていた 当時と言えば 世の中はバブル絶頂の時 派手なフアッションに身を包んだ人達が行き交い 色んな物が金を生み 暗いニュースもすぐに忘れられて 新しい物やきらびやかな所に人々はこぞって集まった まるで異国の蛾が街灯に集まり 朝になると 消えてなくなる そんな光景と重なる そんな時代であった
いいアルバイトでもないかなぁ なんて呑気に時間を過ごしアルバイト情報誌を片手に 将来の事など 全く気にせず 今だけを生きる そんな感じの生き様が外から聞こえる蝉の声と 何処か重なり暑い夏が やって来る 幕開けの ベルの音のようでもあった
そこには 色んなバイトが載っていた 仕事も溢れ 沢山の中から探すのも 一苦労な感じだ 高給優遇という欄に何故だか目がいき、そこにはパチンコ屋や夜の仕事 肉体労働など様々な仕事が載っていた
ホスト募集 日給2~3万 と書いてあり さほど詳しくは載っておらず、電話番号だけが載っていた 怪しいなぁ と感じながらも 高校生でもいけるかなぁなんて、今思えば仕事を探すというより、何かブラックな所に惹かれていたのかも知れない。