そして、始まった映画。 何度か泣きそうになりながら、化粧が落ちるのを恐れ、ぐっと我慢すると、隣に居る光志があたしを見て笑っていた。 そして、エンディングの曲が流れてしばらくすると、首の後ろから引き寄せられ、視界が暗くなった。 そして、唇を塞がれる。 「光志?どうしたの、いきなり」 唇が離れると、首に回されている光志の腕に力が入り、そっと囁かれた。 「…ごめんな」 「え?」 なんで謝るの? あたし謝られるようなことされた覚えないけど。 なんでそんな哀しそうな声を出すの。