あたしはそれから
少しして二人の元に戻った。




顔を上げられなかった。







『だから、少しでも元気なうちにあの子に会いたかったんだよ…』






初めて"父親"なんだと
実感してしまったから。





「…杪」



小さく名前を呼ばれ、
ゆっくりと顔を上げる。