「じゃあな、がんばれよ」 そう言って、和尋はオフィスから出て行った。 がんばれ、なんて言われてしまった。 和尋の優しさに、自分の情けなさに、涙が出そうになった。 樹は、シャッとブラインドを下ろして残りのコーヒーを飲み干した。 溶けきってなかった砂糖がじゃりじゃりした。