あたしは自分から侠也を抱き寄せた。





「えっ………?」





侠也は驚いたのかそんなまぬけな声を出したのさえ無視してやった。



笑顔だった侠也がどんな顔になっているかは分からないけど、無性に抱きしめたくなったんだ。



無意識に侠也の顔を胸に押し当てて、髪をサワサワと撫でるあたし。



抱きしめられるんじゃなくて抱きしめたくなった。





「ごめんね……好きだよ…」






それだけ言うと泣けてきた。