喧嘩したわけでも浮気されたわけでもない。


ただ、あたしがこの間の女の人が気になってるのに聞けなかった事。


昨日と今日も何の用事か聞けないくせに気になって寂しい事。


こんな馬鹿で情けないあたしの話を聞いてくれた。





「侠也さんの事、ほんと好きなんだね。」


「…………」


「恋愛ってさ、我慢も思いやりも必要だと思うよ。でももりりんのは意気地がないだけだと思う。素直に言ったら侠也さんは優しく教えてくれるんじゃない?」


「そうかもしれないけど」