無言・・・


無言、無言、無言・・・



こんなかっこいい人と歩いたことないよ・・


隣にはかっこいい男子。


でもあたしは地味女。


はぁー・・・

全然つりあわない。



てかこれって何か話した方がいいのかなぁ!?


無言ってなんか気まずすぎ。


あ・・・

この人の名前、聞くの忘れてた。


絶対聞かなきゃっ。

あたしの命の恩人っっ!



「あの、なま・・・」


「あのさ」


名前聞いてもいいですか?

そう言おうとした瞬間、
命の恩人さんにさえぎられた。


「はい?」


「名前、何?」


「あ・・・ えっと、水野 琴音です」


「へぇー。
 琴音ってなんか可愛い名前だな」


えっ・・・

か、かかかか、可愛いだなんてっ!!!


顔がどんどん熱くなっていくのが、
自分でもよく分かる。



「え、いや、そ、そんなこと、ないですよ!」


「ふっ、照れてるのか(笑」


「いやっ、照れてないです!」

「そうか(笑
 俺は佐藤 大地だ」


「・・・佐藤くん、かぁ」


「佐藤くんって・・・
 名字じゃなくて、名前で呼べよ。
 俺そっちの方が慣れてるし」

「じゃあ・・・ 大地くんって呼びます!」


「りょーかい」


そしてまたあの笑顔。


不意にもかっこいい、と思ったあたし。


この時からあたしの片想いは、
始まったのかもしれない。