「多笠木」 いきなりオーラの黒い蒼井に名前を呼ばれて怯える健吾。 「誰が、愛美ちゃんだって?」 笑顔のはずの蒼井がこんなにも怖く見えるのは恐らく目の錯覚ではないと思う。 俺は、悪いと思いながら健吾をその場に残して男子の固まりの方へ逃げて来た。 「空良、お前堀内さんと仲いいのか?」 戻るといきなりクラスメイトの一人にそう聞かれた。 「うん」 さっき堀内が蒼井に答えてたみたいに答えた。 「いいなー」