完全に落ち着いたのか、堀内は俺から離れる。



「...ありがとう」



恥ずかしそうに俯きながらそう言ってくれる。



「本当に、ありがとう。何も聞かないでくれて、ありがとう」



「別に、俺は自分のやりたいことをやっただけだから」



「大した事はなかったんだけどね、まだ、ちょっと...」



無理矢理笑顔を作ろうとする堀内を見て俺は



「大丈夫。堀内には大した事だったんだろう?」



堀内の手を掴んで歩き出す。





後ろから引っ張られる感じがしたから後ろを振り向く。




「本当に、ありがとう」




やっと、堀内の笑顔が見れた。