Secret Cats



「さっきは…悪かったな」





絆創膏を貼り終わって救急箱を片付けていると聞こえるか聞こえないかくらいの声でリュウが呟いた





「……何が?」



「だから…さっき…」



「さっき?」



「……親いないのかって言ったこと」



「……あぁ…別に気にしてねーよ」





だからさっきからあたしと目合わせないのか?



自分が悪いことしたとでも思ってんのかよ






「ってかなんで知ってんだよ」



「わりぃ。リビングに来る途中、向かいの部屋開いてたから…」



「見たのか」



「わりぃ」



「変態」



「……ごめん」






ちょっと間を置いてからの「ごめん」に何故か気が緩んだ



嫌なやつだとは思っていたけど、案外いいやつかもしれない