「なんでここにいんだよ」
「リュウだって」
「……」
「いっつもここで喧嘩してんのかよ」
「……いつもはここじゃねーよ」
「喧嘩はしてるんだ」
ふとリュウの手を見てハッとした
また新たな傷が付いている
たぶんこの傷はさっきの喧嘩中にできた傷なんだとすぐにわかった
「………」
依然として黙ったままあたしの横に立っている怪我付きのリュウを見てやるせない気持ちになった
気づけばあたしは勝手にリュウの腕を引っ張って早歩きしていた
リュウは後ろでごちゃごちゃ言いながらも何だかんだでされるがまま付いてきた
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